世界の食材ミニ百科
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フォアグラステーキフォアグラ(仏 Foie gras)

強制的に餌をたくさん与え、運動をさせずに飼育したガチョウ(ガンの家禽)やカモ、アヒル(カモの家禽)の肥大した肝臓のこと。
肝臓を肥大させる特殊な飼育法は、古代エジプトの時代から存在し、「ガヴァージュ」と呼ばれた。古代ギリシャ・ローマへは、当時エジプトで奴隷だったヘブライ人によって伝えられたといわれている。
渡り鳥であるガンやカモは、長距離飛行に耐えるために肝臓に栄養を蓄える性質がある。この特質を利用して肝臓を肥大させたのがフォアグラ。全体の約半分が脂肪だが、ほかの動物のレバーと同じくビタミンやミネラル類を豊かに含み、なかでもビタミンAと葉酸が多い。ビタミンAは皮膚を丈夫にするとともに、視力の改善や免疫力の向上に役立ち、造血作用のある葉酸は貧血予防に働く。ちなみに葉酸は妊娠中の女性にはとくに必要で、不足すると胎児に影響が出る可能性もあるビタミンだ。

普通フォアグラというと、ガチョウ(ガンの家禽)の肝臓を指し、フォアグラのなかでも最高級といわれる。体に比例して肝臓も大きくなるため、ほかのものに比べ大型。重さは700g〜1kgに達する。フォアグラグース。

カモの肝臓は比較的安価に手に入るため、人気が高まっている。ガチョウのフォアグラに比べて小型。重さは500〜700g。フォアグラカナール。

世界のフォアグラの生産量は西暦2000年で約1万8000トンだが、そのうちフランス産は1万5300トンにも及んだ。フランス国内では、南西部のペリゴール地方(P屍igord、現ドルドーニュ県)とランド県が主産地で、ガチョウと鴨の両方のフォアグラが生産されている。南西部全体での生産量は、フランスの生産量の75%を占める。また、アルザス地方のストラスブールやラングドック地方のトゥールーズも、産地としてよく知られている。不足分は、オーストリアなどからの輸入品でまかなわれている。
ガチョウよりも鴨の方が飼育が楽で、病気にも強いことから、今日では鴨のフォアグラの生産量は増加傾向である。
ハンガリーのドナウ川西岸(ドゥナーントゥール地方)でも昔からフォアグラの生産が行われており、輸出も盛んである。



キャビアオンアイスキャビア(英・仏 :caviar)

キャビアは、チョウザメの卵の塩漬け。世界三大珍味の一つに数えられる。
魚の腹子を意味するトルコ語「カハービヤ」から由来したイタリア語をもととする。カスピ海が昔、オスマン・トルコの統治下にあった時代、宮廷につどった各国の人々がそのおいしさを世界に広めたとされている。
主な産地はロシアで、特にカスピ海とアムール川が有名。またカスピ海はイランにも面しているため、イラン産のキャビアもよく知られている。古くはヨーロッパ沿岸河川、北米大西洋沿岸でも商業的に生産されていた。カスピ海に生息するチョウザメの種類によって卵の粒の大きさとブランド価値が異なる。大きい順にベルーガ(Beluga・オオチョウザメ)、オシェトラ(Oscietra・ロシアチョウザメとシップチョウザメ)、セヴル−ガ(Sevrugaホシチョウザメ)キャビアと呼ばれる。なお、その他の地域に生息するチョウザメの仲間からもキャビアは生産される。

ベル−ガ
チョウザメの仲間の中では最も大きく、体長3 〜4 m、体重300 Kg を超えるものもある。普通は体重100 〜200 Kgで、その約15 % にあたる15 〜30 kg がキャビアとして取れる。成熟まで約20年を要する。近年漁獲量が減少し、希少価値が高まっている。キャビアの特徴は大粒なこと。色の濃淡はあるが、灰色で明るい色ほど好まれる。皮は柔らかくマイルドである。

オシェトラ
オシェトラは、カスピ海に生息する2種類のチョウザメ(ロシアチョウザメ・シップチョウザメ)を指す。いずれもチョウザメ類の中では平均的な大きさで、体長2 m、体重40 〜80 Kg。成熟に12〜13年を要する。キャビアは中粒で、色は茶色がかった灰色からゴ−ルドまで変化に富む。ナッツの味が珍重されている。

セヴル−ガ
3種の中では最も小型で、スマ−トな体型をしている。口先が尖っているのが特徴。体長は最大で1 〜1.5 m、体重は25 Kg を超えることは滅多にない。成熟にかかる時間は比較的短く、平均8〜9年である。キャビアは小粒で、色は暗灰色。繊細で独特な風味がある。



アンチョビ(英:anchovy、伊:アッチューゲ acciughe、仏:アンショワ anchois)

アンチョビは、カタクチイワシ科(Engraulidae)のカタクチイワシの小魚またはその塩蔵品のことである。主にイタリアやスペインで生産されている。
塩蔵品は、3枚に下ろして内臓を取り除いた小魚を塩漬けにして、冷暗所で熟成及び発酵させたものにオリーブオイルを加え、缶詰やビン詰めにする。
缶詰には、3枚の身肉をそのまま平らに並べたフィレー・タイプのものと、その身肉をケッパーの実を芯にして渦巻状に巻いたロール・タイプのものがある。ペースト状にしてチューブに入れられた製品もある。
そのまま、あるいはペースト状にして食べるほか、サンドイッチ、カナッペの具としたり、ピザ、パスタ、サラダなどの味付けに用いたりする。



バルサミコ

バルサミコ酢はイタリア特産のブドウが原料の果実酢の一種である。イタリア語での言い方を使用してアチェート・バルサミコ(Aceto Balsamico)や短縮してバルサミコとも言う。 バルサミコ(Balsamico)とはイタリア語で「芳香がある」という意味である。色は茶色を濃くした黒色で、その名の通り独特の芳香が有り、オリーブオイルと合わせてサラダのドレッシングにしたり、肉料理や魚料理のソースに使ったり、アイスクリームやデザートにかけたりするなどイタリア料理の味つけや香り付け、隠し味に使用される事が多い。
一般のワインヴィネガーがワインを酢酸発酵させたものであるのに対し、アチェート・バルサミコはブドウ液を煮詰めたもの(モストコットという)を原料として酢酸発酵させたものである。
モストコットは滓を取り除かれ樽に移されてから1〜2年静置し、それから古い年代のワインヴィネガーを加え酢酸発酵をさせていく。一年ごとの樽の移し替えを行い、できあがったものがアチェート・バルサミコ。
原料がブドウの濃縮果汁であることと数年の樽熟成が特徴で、アチェート・バルサミコ・トラディツィオーネ(伝統的なバルサミコ酢)は最低12年の熟成や原料のブドウの種類が法律で義務づけられている。イタリア北部・モデナ地方の物が有名。



トリュフ

セイヨウショウロ(西洋松露、Tuber spp.、トリュフ)とは、子嚢菌門セイヨウショウロ科セイヨウショウロ属のきのこの総称。広葉樹の根に菌根をつくって生育し、地中に塊状の子実体を形成する。
ヨーロッパにおいては世界三大珍味とされる高級食材で、「黒いダイヤ」とも呼ばれる。フランス産のペリゴール・トリュフ(黒トリュフ)T. melanosporum Vitt.とイタリア産の白トリュフT. magnatum Picoが特に珍重され、他にも数種のヨーロッパ産セイヨウショウロが食用に採取されている。日本ではクロアミメセイヨウショウロT.aestivum Vitt.(ヨーロッパにも分布し、夏トリュフと呼ばれる)やイボセイヨウショウロT. indicum Cooke et Masseeなどの近縁種が最近になって報告されている。近年中国産のイボセイヨウショウロは、黒トリュフや白トリュフの廉価な代用品として大量にヨーロッパに輸出されている。
トリュフ自体は香りがあるが味はほとんどなく、サラダにスライスして入れたりする。
同名で、トリュフの形状を模したチョコレート菓子がある。ガナッシュをココアパウダーで包んで作るのが一般的。
トリュフは価格が高く味も刺激的なため、わずかずつ使用する。
白トリュフは一般に茹でてバターを絡めたパスタやサラダの上に生のまま削ってかける。紙のように薄く削った白または黒トリュフは、肉やローストした鳥の皮の下、フォアグラやパテに挟んだり詰め物に入れたりする。トリュフを含むチーズも同様である。黒トリュフの香りは白トリュフよりはるかに刺激が少なく、より洗練されたものである。新鮮な土、マッシュルームを思わせるようなもので、新鮮なときにはその香りはすぐに部屋いっぱいになる。



エスカルゴ (仏:escargot)

エスカルゴ(escargot)は、フランス語でカタツムリを意味する語。
ヨーロッパでは古代ギリシャ時代から食用にされてきた。ブドウの葉で飼育されるため、ブルゴーニュやシャンパーニュといったワイン産地が主産地である。越冬のために殻に膜を張って休眠しているものがいちばん味がよいとされる。
巻貝の一種でマイマイ科 リンゴマイマイ属、食用は約10種。最も美味とされるヘリックス・ポマティアは、フランスのワイン産地ブルゴーニュ地方やシャンパンで名高いシャンパーニュ地方の名産品。ブドウの葉を食べて育つので、味がよくなるという。エスカルゴ料理といえば、エスカルゴティエールという専用プレートの穴に、ガーリックバターとともに入れて焼いたブルギニヨンが有名。エスカルゴはカルシウムに富むうえに、カルシウムの体内利用に必要なマグネシウムも含む。亜鉛や鉄も豊富なため、味覚を敏感にしたり、貧血予防や冷え性改善に役立つ。ホワイトキャビアと呼ばれる卵も珍味。

主な種類

ヘリックス・ポマティア

ブルゴーニュ種。エスカルゴ類の最大種で味も一級品。繁殖力が低いため希少価値が高く、本場フランスでも見ることはまれ。近年、三重県で世界初の養殖に成功。近似種に、ヘリックス・ルクラムがある。

ヘリックス・アスペルサ

西ヨーロッパを中心に各国で食される。ポマティアに比べやや小さい。環境適応能力が強く日本では害虫扱いされ、国内飼育や生きたままの輸入は不可。



ポルチーニ(伊:Porcino、英:Porcini)

ポルチーニはハラタケ目イグチ科ヤマドリタケ属の食用キノコ。香りが良く、イタリア料理など、ヨーロッパでよく使われる。単一の種を指すのではなく、ヤマドリタケ(Boletus edulis)とそれに類似の近縁種の総称である。ヤマドリタケモドキ(Boletus aestivalis (=B. reticulatus))も含む。
ポルチーニ各種をはじめイグチ科のキノコのほとんどはマツタケやトリュフ同様樹木の根に菌根を作って共生する菌根菌であるため、純粋培養による栽培は困難であり、未だに成功していない。そのため流通するポルチーニは全て森林で採集されたものである。ヨーロッパでは20世紀後半に酸性雨などの環境破壊によって森林の衰退が進み、菌根菌の発生量が減少した。現在では中国で採集されたポルチーニが多く流通している。
ポルチーニの流通形態は主にスライスした乾燥品であり、一部に冷凍品も出回っている。自然発生品を採集するしかないため、生が出回る時期は限られる。イタリアから輸入されるポルチーニが珍重される一方、日本にもポルチーニが発生することはさほど知られておらず、あまり利用されていない。



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